今すぐできる! ジュエリーを長持ちさせるお手入れと裏ワザ
2022.06.13
ジュエリーの輝きを保つには、自宅での小まめなお手入れが効果的です。ただし、やりがちだけど実は傷になりやすいお手入れ方法もあるので要注意。
そこで今回は、宝石の種類や金属素材の違いを問わず、さらに指輪やネックレスなど幅広いジュエリーに使える、お手入れと長持ちの裏ワザを紹介します。
目次
- 1.自分でできるジュエリーの簡単お手入れ
- ・難易度★ ちょっとした汚れなら拭けばOK
- ・難易度★★ 頑固な汚れはつけ置き洗い
- *【コラム】注意! 水にぬらしてはいけない宝石
- ・難易度★★★ 小さな傷は磨き直し
- *【コラム】注意! 研磨剤NGな素材やデザイン
- 02.日頃から気を付けること
- ・変形の原因は?
- ・傷ができる原因は?
- *【コラム】もしジュエリーが壊れてしまったら……
- ・汚れが付く原因は?
- *着けるだけで蓄積する汚れ
- *日常生活で蓄積する汚れ
- *温泉も汚れの原因に
- *【コラム】ジュエリーの黒ずみはさび?
- 03.保管するときに気を付けること
- ・直射日光に当てない
- ・空気に触れないようにする
- ・湿度の調整をする
- ・硬いものとぶつからないようにする
- ・重要書類も一緒に保管するとなくさない
- 04.宝石・素材別ウィークポイント
- 05.自分で対処できないものはプロに任せよう!
- 06.まとめ
1.自分でできるジュエリーの簡単お手入れ
思い入れのあるジュエリーは、気持ちを高めるアイテムとして肌身離さず着けていたいもの。しかしただ着けているだけでも、ジュエリーは汚れて黒ずんでしまいます。例えば汗や皮脂、家事をする際に付いてしまう油分などは汚れの原因です。
自分でできる小まめなお手入れと、たまった汚れを落とす簡単クリーニングで、ジュエリーをきれいに保ちましょう。
・難易度★ ちょっとした汚れなら拭けばOK
少しの汚れなら、セーム革または軟らかい布で拭きましょう。ジュエリーは着けているだけで汚れがたまってしまうので、気づかないうちに汚れていることも。帰宅後に着替えるタイミングで、外して拭くようにするのがおすすめです。
準備物:セーム革(または軟らかい布)
ジュエリーを外してきれいな「セーム革」などで優しく拭き、汚れを落としましょう。セーム革はカモシカなどから作った革で、ジュエリーだけでなくカメラのレンズやメガネ用の汚れ拭きとして使われています。セーム革の用意が難しい場合は、薬品の付いていないハンカチなど、乾いた軟らかい布で代用可能です。ティッシュペーパーで拭くとジュエリーを傷めてしまう場合もあるため、使用しないほうが無難です。
・難易度★★ 頑固な汚れはつけ置き洗い
彫刻があるようなデザインは、拭くだけでは凹凸にたまった汚れが取れないことも。汚れが蓄積するとジュエリーが曇ったような見た目になってしまいます。くすんだジュエリーは放っておかず、つけ置き洗いをしましょう。
準備物:ぬるま湯・中性洗剤・軟らかいブラシ・セーム革(または軟らかい布)
食器洗い用などの中性洗剤を溶かしたぬるま湯に、ジュエリーを数分つけ置きして汚れを浮かせます。汚れが浮いてきたら、軟らかいコスメブラシなどで優しくこすりましょう。汚れが取れたら、洗剤を流水で洗い流し、セーム革などで水分を拭き取ってください。
【コラム】注意! 水にぬらしてはいけない宝石
つけ置き洗いの際に注意したいのが、水にぬれると変色する可能性がある宝石があることです。主に次の宝石はから拭きにとどめ、どうしても汚れが気になる場合は工房にクリーニングを依頼しましょう。
・有機質の宝石:パール・象牙・さんご・べっ甲・琥珀(こはく)
・トルコ石
・エメラルド
・ラピスラズリ
・難易度★★★ 小さな傷は磨き直し
表面に細かい傷が付くとジュエリーが曇ったような見た目になってしまいます。磨き直しをすれば細かい傷が目立たなくなり、輝きをよみがえらせることが可能です。
準備物:ぬるま湯・中性洗剤・研磨剤を含んだクロス・セーム革(または軟らかい布)
研磨剤を含んだクロスでジュエリーの表面全体をこすります。傷が目立たなくなったら磨くのをやめ、中性洗剤とぬるま湯で研磨剤を洗い流しましょう。すすいだら、セーム革で水気を拭き取れば完了です。
注意をしたいのが、素材に合わないクロスでこするとかえって傷が付いたり、表面が剥がれたりする可能性があることです。使用してもジュエリーの素材に影響がないかを、製品ごとの表示でチェックしましょう。表示はパッケージに記されていることが一般的ですが、確認できないものは使用しないほうが無難です。
【コラム】注意! 研磨剤NGな素材やデザイン
ジュエリーには、研磨剤でこすってはいけない素材やデザインがあります。主に次のジュエリーは、自分で磨き直しを行うのは控えましょう。
・コーティング加工をしたジュエリー
・いぶし加工のジュエリー
・つや消し加工をしたジュエリー
・チタンやジルコニウムなど、発色加工をしたジュエリー
・ダイヤモンド以外の宝石が付いているジュエリー
表面加工をしているジュエリーに研磨剤を使用すると、せっかくの加工が台無しになってしまいます。またダイヤモンド以外の宝石は、表面がこすれると輝きが失われる恐れも。どうしても傷が気になる場合は、工房に依頼すると安心です。
2.日頃から気を付けること
普段の生活にも、汚れや傷の原因が潜んでいます。ジュエリーの中でも結婚指輪は、24時間着けるものという認識の人もいるでしょう。着けている時間が長いジュエリーこそ、汚れや傷の原因を知って事前に対策することが大切です。
・変形の原因は?
ジュエリーは瞬間的に強い力がかかると変形してしまいます。例えば指輪なら、電車の吊革や手すりなど硬いものを握ったり、重い荷物を持ったりすることが変形の原因に。その他にも、思い切り拍手をしたり、地面に落としたりすることでも変形してしまいます。
・傷ができる原因は?
硬いものに当たるだけで、ジュエリーには簡単に傷が付いてしまいます。ものに触れやすい指輪やブレスレットなどは、食器洗いの際にお皿が当たるだけで傷ができてしまうことも。硬いたわしや、クレンザーでこすれて傷になることもあります。基本的に家事をする際は、ジュエリーを外しておいたほうがいいでしょう。
【コラム】もしジュエリーが壊れてしまったら……
ひどく変形したり、深い傷が付いたりした場合は、ジュエリーの工房に修理を依頼しましょう。持ち主の事情に合わせて、修理の方法を提案してくれることもあります。たとえ宝石が取れて紛失しても、工房なら新しい宝石を付けることも可能です。
道具があれば自分で修理することも可能ですが、かえって傷を増やしてしまったり、きれいに直らなかったりする場合があります。壊れたら着けるのをやめ、修理するまで保管しておきましょう。
・汚れが付く原因は?
ジュエリーが汚れて、黒ずみとなる主な原因を紹介します。意外にも日常生活のささいな場面に汚れてしまう原因が。事前に防げるものは、汚れないように対策をするといいでしょう。
着けるだけで蓄積する汚れ
ジュエリーは着けているだけでも汚れるものです。汗や皮脂がジュエリーに付くと汚れになりますし、汗や皮脂はホコリを付着させます。
汗や皮脂が付くのは防ぎようがないため、小まめにジュエリーを拭いて汚れを落とすよう心掛けましょう。
日常生活で蓄積する汚れ
化粧品や香水、ヘアスプレーなどに含まれる油分も汚れの原因です。化粧品などがしっかり肌になじんでから、ジュエリーを着けるように心掛けましょう。
また入浴や食器洗いの間も着けていると、せっけんや洗剤のカスなどがたまり、汚れの原因になります。食事をする際に食べ物の汁が付いてしまうことも汚れの原因です。汚れが付くような場面ではジュエリーを外すといいでしょう。
温泉も汚れの原因に
温泉の成分やお湯の汚れがジュエリーに付着すると、汚れの原因になります。特にシルバーは硫黄により黒ずんでしまうため、温泉に入る前には外すことを心掛けるといいでしょう。外出先で外したジュエリーをなくさないよう、専用のポーチを準備しておくといいかもしれません。
【コラム】ジュエリーの黒ずみはさび?
長年身に着けているジュエリーなどは、汚れが蓄積してひどく黒ずんでしまうことがあります。彫刻のくぼみなどに汚れがたまると、自分でお手入れしても取れにくくなるため、さびついてしまったと感じるかもしれません。
自分でさび落としなどを使用すると、かえってジュエリーを傷めてしまう危険があるので、まずは工房に相談してみましょう。
3.保管するときに気を付けること
ジュエリーの中には、直射日光・空気・湿気によって劣化したり、誤った保管方法で傷が付いたりしてしまうものもあります。しばらくしまったままのジュエリーも、時々見直してみるといいかもしれません。
中には耐食性・耐久性のある素材もありますが、ジュエリーは複数の金属を混ぜて作られることが多く、その配合によって性質が変わります。基本的に直射日光・空気・湿気の対策をして保管しましょう。
・直射日光に当てない
宝石が直射日光に当たると、変色する恐れがあります。ジュエリーはふた付きの専用ケースに入れ、引き出しの中など直射日光が当たらない場所にしまいましょう。
・空気に触れないようにする
銅など、空気中の酸素と反応してさびてしまうジュエリーもあります。ふたの付いたケースに入れて、なるべく空気に触れないように保管するのがおすすめです。
・湿度の調整をする
ジュエリーは湿気によって劣化してしまうため、しまい込むとかえって良くありません。定期的にケースから出してセーム革で拭くなど、メンテナンスするといいでしょう。乾燥剤を入れておくのも効果的ですが、薬品がジュエリーに触れないようにしてください。
ただし注意をしたいのが、パールやトルコ石などの宝石は極度な乾燥によっても傷んでしまうことです。自分で湿気対策をするのも難しいため、湿度調節機能のある専用ケースを使用すると安心です。
・硬いものとぶつからないようにする
ジュエリー同士がぶつかることも、傷の原因になってしまいます。1点ずつ専用ケースに入れるか、仕切りのある箱に保管すると、他のジュエリーにぶつかる心配がありません。
ジュエリー専用のケースは内側が軟らかいクッション状になっていて、ジュエリーを傷付けないように配慮されています。専用ケースでなくても問題ありませんが、内側が硬いものはジュエリーに傷を付ける恐れがあるため、注意が必要です。
イヤリングやピアスも両耳分をまとめて保管しては、2つのジュエリーを一緒にしまうことと同じ状況になります。必ず片耳分ずつ保管しましょう。
・重要書類も一緒に保管するとなくさない
ジュエリーを保管する場所に、購入店の保証書や鑑定書を一緒にしておくと便利です。いざお店で修理が必要になった時も、しまった場所がすぐ分かるため慌てずに済みます。
4.宝石・素材別ウィークポイント
ジュエリーに使われる主な宝石・素材のウィークポイントをまとめた表です。お手入れの際や日頃から気を付けるポイントの確認に使用してください。(各五十音順)
5.自分で対処できないものはプロに任せよう!
セルフクリーニングでは落ちない汚れや、ケアしきれない傷が付いてしまうこともあります。
その際は自分で無理に対処せずに、購入店や修理工房に依頼して、プロに対応してもらいましょう。自分では磨き直しできないジュエリーも、プロの技術で輝きを取り戻せるかもしれません。
まとめ
ジュエリーの日々のお手入れは少し面倒かもしれません。しかし、手をかけるほど愛着が湧いて、一層大切なジュエリーに思えるはず。長く使うことを考えて、この機会に正しいお手入れを始めてみてはいかがでしょうか。
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